熊野古道伊勢路の最難関峠の八鬼山越えにチャレンジ、馬越峠を越えて尾鷲で宿泊してスタートする。しかしホテルから八鬼山峠の登り口までは約3.3kmあるので時間のロスを抑えるためタクシーを使うことにした。事前にホテルでタクシーの予約をするが6:40が朝一番になる、八鬼山越えは登り口からでも約5時間は掛かるので戻りのJR三木里駅(12:04発)予定のギリギリのスタートになった。
■登り口からスタートする
尾鷲市内のホテルからタクシーで約10分程度で登り口に到着する、登り口にはトイレと駐車場もあった。ここからJR三木里駅まで約9km程度の道程になる、しかし今までの峠と違って登り下りがほとんどなので大変である。


最初の登り口からしばらくは平坦で歩きやすい、早朝の道を歩くのは気持ちが良く巨岩の中の道を進んで行く。また行き倒れ巡礼者の供養塔がいくつもあり難所であったことが伺うことができる、そして徐々に勾配がきつくなってくる。


林道との交差点に到着するここからは急な勾配が続く、少し休んでから出発する。(7:40)

ここから七曲りの難所までまだしばらくは登りが続くので、あわてずにゆっくり歩いていく。
■七曲がり
やっと八鬼山峠の最大の難所「七曲り」に到着、距離は280mだがしっかり登りが続く、登り切ると平坦道(土道)があるもののやはり登りはきつい。(8:00)


七曲りはきついがまだ元気なのでどんどん登って行ける、登り切るとベンチがあり休憩することができる。(8:16)

しかしその後の登りもきつく大変である、特に巨岩の多い終盤は足元も悪く徐々に足もきつくなってくる。

やっと九鬼への分岐点に到着するが、それでも山頂はまだまだ先である。(9:05)

■荒神茶屋跡
やっとトイレもある荒神茶屋跡に到着する(9:20)

ここには比較的新しい荒神堂がありスタンプ台もあるので大休止する。それでもここまで約2.5時間掛かっていて戻りの電車の時間(12:04)が怪しくなってきた、しかも八鬼山山頂まで登りはまだまだ続くのである。少し休みすぎたものの先を急がなければならない、あと少しで山頂(627m)である。

■山頂と展望台
約15分ほど休憩して荒神茶屋跡を出発、まだまだ登ってやっと八鬼山の山頂に到着する。(9:50)

約3時間を掛けて山頂を越えるとようやく下りになる、スムーズに下ればなんとか予定の列車に乗れそうなので先を急いだ。

そして「桜の森広場」では太平洋を望む大展望が広がっていた、思わず風景に見とれていたがゆっくりとは出来ない。しかしまるで天国にでも来たような場所である、苔むした岩場を越えて再び下り道を進む。

■苦難の下り
戻りの列車の時間まであと約2時間で少し焦ってきたが下っても下っても下りが続く、傾斜がきついところも多いので時間も掛かってしまう。そのうち膝や太ももが動かなくなりスピードも鈍ってくる、そしてついに足も動かなくなってバランスも上手く取れなくなる。

時間に追われ少し速度が速すぎたのかもしれない、大量の汗を掻き始め体が動かなくなってきたので脱水状態になってしまったようだ。昨晩尾鷲で飲みすぎた付けがまわってきた、若干の二日酔いで朝食を取らずに登ってしまっていたのである。リュックに入れてあったカロリーメイトを食べることも忘れていた、完全にエネルギー不足の状態で下る危ない状態になっていた。

■JR三木里駅へ
何とか三木里側の登り口にたどり着いたが、予定の列車に乗車は難しい時間になっていた。(11:30)それでも列車が多少遅れることも望みつつJR三木里駅に向かう、しかし無情にも駅の少し手前で予定の列車が出発するのを見送ることになってしまった。

仕方がないので三木里で昼食を摂り、次の列車(14:24発)を待つことにした。しかしこの列車は紀伊長島止まりで約70分の接続時間がある、紀伊長島でも買い物などして時間を潰すことになってしまった。
■まとめ
やはり八鬼山峠は侮れない、しっかり対策したつもりでもちょっとしたことで予想外に時間が掛かってしまった。我々はもう若くないことを自覚して想定時間にもっと余裕を持ってくことが必要であった、タクシーの営業時間がもう少し早ければと思ったが、体調を整えていなかったことが最大の原因である。これからもまだ峠越えは続くので体調を整えて先に進むことにしたい。
尾鷲側登り口スタート 6:50 ⇒ 八鬼山山頂 9:50 ⇒ 三木里側登り口 11:30 ⇒ 三木里駅 12:15 合計 5時間25分
