朱鞠内湖で釣り人がヒグマに襲われたが釣り旅北海道は大丈夫か?

 朱鞠内湖で釣り人がヒグマに襲われ死亡した、しかし羆による釣り人の死亡事故はあまり聞いたことがない。実際に過去の例を見てもゼロではないが非常に少ない、にもかかわらず今回の事故がなぜ発生してしまったか。まずは亡くなれた方のご冥福をお祈りしたいと思います、そして北海道で釣りをする者にとって何がこの事態を招いてしまったか。情報は少ないがわが身においてしっかり反省しておきたい。

羆の出没
知床半島のヒグマ

■今回の事故の反省(自らにおいての反省点)

 1番の反省点は羆の目撃情報がありながら、1人で釣り場に向かったこと。また湖(朱鞠内湖)では逃げ場が無いのに船が離れてしまったことであると思っている。しかも釣りをしていたのであれば湖のほうに向いており、後ろ側(山側)の注意が疎かになってもおかしくない。

 ネットのニュースなどには羆対策の装備のことは書かれていないが、北海道の釣り人ならおそらく羆撃退スプレーや熊鈴などは持っていたと思う。憶測ではあるが釣りに熱中しているときに後ろから急に襲われては対応が出来るわけがない。また対応できても逃げる場所がないので、執拗に追いかけてこられると防ぎようがない。また小型の羆のようなので、若熊で親熊から離れたばかりで気が立っていたのかもしれない。

ヒグマ出現

■羆の習性を理解しておく

 釣り人や登山者に被害が少ないのは、羆の習性を理解して対策を行っているからだと思っている。また山菜採りに被害が多いのは山菜採りに夢中になり藪などにも入り込んでしまったり、羆のテリトリーを侵してしまうのではないかと思っている。羆の習性のポイントで代表的なものを整理すると・・・

①臆病である

 本来、昔らの人間との戦いで人間を恐れているので、人がいること示せば羆のほうから避けていくことが多い、しかし最近は人を恐れなくなってきた羆も多く街中にも出没してきている。それでも熊鈴や爆竹、ホイッスルで避けて行くことが多いと思っている。

②執着心が強い

 羆は1度手にしたものに対してはこれは恐ろしいほどの執着心を持つようである、1度羆にとられたものを取り返してしまうと怒り狂うらしい。昔カムイエクウチカウシ山の羆襲撃事件でも執拗にリュックの食料を狙って襲撃されている。

③頭が良く、俊敏で夜行性である

 本来は頭も良く臆病なので自ら人を避けるが、不意に出会った場合は慌てずに対応する。後ろを向いて逃げると本能的に追いかけてきて襲われる、俊敏なので人が逃入釣げ切れるわけがない。また夜行性なので夜明けや夕暮れには活発に活動していると思って入釣を控える。

④危険な羆は子連れ、若熊

 子供を守ろうとする母熊は攻撃してくるし、親離れした若い羆は攻撃的になっていることもあるので注意しておきたい。

以前に書き込んだ羆対策は下記ブログ記事を参照

 釣り旅北海道の最大リスク羆(ヒグマ)対策を考える 20210721記事

■わが身の体験から

 私も何回か羆と遭遇しているが、湖や海の場合は後ろから接近してくるので気が付かない場合が多い。周りの誰かが発見して教えてもらわなければ真後ろまで来ていても気が付かないと思っている。実際に知床半島での瀬渡しによるサーモンフィッシングでは、毎回のように出没する羆の対策として海で待機している。そして瀬渡しの船頭さんが海岸線を常に監視していて、羆を発見するとすぐに接岸して釣り人を避難させる。本気で羆が人を襲う気になれば間に合わないと思うが、羆の目的は接岸するカラフトマスなのでのんびり歩いている。しかしその場で逃げ場が無いとすれば、どうなってしまうかは分からない。多分この場では姿を現せば人は船に逃げるので、羆も怖がっていないように思う。

ヒグマの密集地へ

 他では車の運転中や河原でうなり声を聞いたり、今ではやらないキャンプ(キャンプ場は別)での遭遇など何回か危険な状態にもあっている。足跡などは河原にいれば当たり前のように発見する、新しければすぐに退散するし、古そうであっても常に周囲に気を配り慎重に釣りをする。

■まとめ

 今回は非常に残念な事件である、どうして1人で羆目撃情報のある逃げ場のない場所に釣りに行ってしまったのか。この事件はもっと状況を深堀し継続して結果を報告していただきたいと思っている。人を恐れなくなった羆が増加するなか、新たな対策が必要なのかも考えたい。安全を考えれば行かないのが1番であるものの、しっかり対策して安全に釣り旅北海道を楽しみたい。

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