定年退職時に年金のシミュレーションを行って、65歳まで健康であれば国民年金の繰り下げを計画した。国からは繰り下げがお得であると進めている。しかし雑誌などでは最近「年金は早くもらったほうが得」というような記事もみうけられる。どちらが正解だったかは死んでみるまで分からないが、すこしポイントを整理してみた。まだ61歳なので考える時間もあるし整理しておくことで後悔しない選択をしたい。
極端なケースで考えるとミスリードしてしまうので、自分の場合で整理する。
自分は60歳で定年退職、再雇用せず黄金期を楽しむ?家内は3歳年下なのだが定年までは正社員で働く予定であり、厚生年金は特別支給で63歳から受給できる、現在は個人年金と貯蓄で生活を賄っている。もちろん家内の給与収入もある。
第2号被保険者(会社員など)
3階 | 企業年金 | 60から受給 |
2階 | 厚生年金(特別支給) | 63から受給 |
1階 | 国民年金(基礎年金) | 65から受給 |
年金の繰り上げ受給
支給開始を1か月単位で繰り上げ |
0.5%減る |
60歳から年金を受け取ると30%減となる
年金の繰下げ受給
支給開始を1か月単位で繰り下げ |
0.7%増える |
70歳から受け取ると42%増になる
※なお特別支給の厚生年金は年金の繰り上げ、繰下げはできない。
自分のケースだと63歳から厚生年金が受給できるので、繰り上げは考えられないが60~63の間は個人年金・企業年金と貯蓄で賄えば63歳~70歳まではなんとか生活はできる。さらに65歳からは繰り下げしなければ余裕ができる。
余裕 = 貯金にするか繰り下げするか?
節制すれば貯蓄もできると思うが、貯金の利子は無きに等しいことから繰下げを行って42%増して70歳からもらうのが良いと思えてくる。ただし生活できないので厚生年金は繰り下げず特別支給に引き続き受給する。国民年金のみ繰り下げる。これだけで年間約32万円の増額になる。損益分岐点は約82歳となる。また、病気などで長生きが無理と思えば、繰り下げ受給前(70歳)であれば遡って65歳からの支給額を受け取ることも可能である。
ここで問題になるのが健康年齢(男性は72歳)
健康なうちに充実した生活 = 年金は早くもらうが得する?
健康で日常生活を送ることが出来る健康寿命は男性だと72歳とされるが、年金を早くもらって充実した生活を健康なうちに過ごす考え方もある。
健康年齢(72歳)以降の備え = 年金を繰り下げて増やす?
健康年齢までは年金を繰り下げても節制した生活で過ごせるのであれば、介護状態になったときにでもできる限り子供に迷惑を掛けたくない、70歳を超えると個人年金なども無くなり年間収入も大幅に減ってくる。国民年金と厚生年金だけで大丈夫だろうか?って思ってしまう。
繰り上げ・繰り下げのまとめ
定年退職後の収入源は公的年金が一番大きいと思うが、公的年金の支給は原則65歳からなのでそれまでの5年間んは再雇用・再就職で仕事を継続するケースは増々増えてくる、その場合には働き方で給付年金の損得も生まれるであろう、年金を繰り上げる場合には十分注意したい。年金額も働き方も考え方も人それぞれであるので、まずは定年退職前の早くから自らの年金の仕組みを理解することが大切になるのである。
人生は損得で生きたくない・・・黄金生活は自ら創らなければならないと思う。