昨年から始めた太陽光パネルによる節電効果を検証する、しかし電気料金の値上がりにより節電効果が感じられない。それどころか節電前より高額の電気料金が発生している、太陽光パネルを活用した節電を始めてから約1年を振り返ってみることにした。
■電気料金高騰の原因は?
主な原因は石炭や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格高騰の影響によって 燃料費調整額が値上げされていることである。これは2019年9月ころかから始まり、ロシアによるウクライナ侵略などの地政学的な変化等などによりさらに電気料金の値上がりが続いた。
燃料費調整額とは発電燃料(石炭・LNG・石油)の価格変動を毎月の電気料金に反映させる仕組みのことで、目的は燃料価格の変動から電気事業者の経営を守ることにある。調整単価は貿易統計で算出される(例:今年4月分の場合は昨年11月から今年の1月までの3ケ月の平均で算定する)ただ2023年2月分は大きく低減された。これは国による電気料金負担緩和策(値引き単価:7円/kwh)から適用されたからである。
上がり続ける燃料調整額(我が家の場合の調整額)
さらに中部電力では2022年4月から一部の電気料金の見直しが行われた。Eライフプラン(3時間帯別電灯)など2016年までに新規受付を終了した一部の電気料金メニューについては、昼間料金単価の引き下げ、深夜料金単価が引き上げられた。エコキュートなどは深夜の割谷の料金でお湯を沸き上げるシステムなので影響は少なくない。
中部電力ミライズプレスリリース(電気料金メニュー単価の見直し)
■太陽光パネルを活用した節電方法
昨年の2月、我が家では太陽光発電のFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)期間10年が終了したので売電価格が極端に低下した。電気料金の値上がりに加え、そのまま放置すると電気料金の負担が激増することから太陽光発電の有効活用を実践して節電することにした。
実践したのは深夜に沸かし上げるエコキュートシステムの時刻設定を変更することでデイタイム(太陽光発電)で沸き上げるようにする。※ただしメーカー非推奨なので自己責任である
対策前の1年間の時間帯別の使用量、ナイトタイム(深夜)にエコキュートでお湯を沸かしているのが分かる。特に気温が低下する12月から3月までの期間は気温が低くなるので沸かすための電力量も跳ね上がる。太陽光発電の売電料金が高かったのでそれで良かったが・・・
売電料金が見込めなくなったので、1番多く電気を使うエコキュートを太陽光発電を使うことにしてみた。ナイトタイム(深夜)に使っていた電力が一気に下がることになった、高額のデイタイムが少し増えたのは天候が悪いことと日照時間が短くなり発電しない時間が増えたので仕方がない。
<節電対策の条件>
①太陽光パネルを設置している
➁エコキュートシステムを設置している
③FIT(固定価格買取制度)が終了している※買取額が42円⇒8円に激減
■太陽光パネルの活用にる節電結果
1年間の電気の使用量はトータルで34%減を達成したものの、電気料金は電気料金の値上げとともに昨年以上の額になってしまっている。太陽光パネルを活用しなければかなり損をしてしまったと思っている。ちなみに日照時間の短い太陽光発電の不利な時期の2023年1月分の料金で試算してみても約▲3,000円の節電になる。ただし電気料金は安くなっていないので達成感が少ない。
2023年1月電気料金 約22,500円 ⇒ 節電なかりせば料金 約25,500円
太陽光パネルによる節電は天候に左右されてしまう、天気の不安定な日が続くと高額な昼間の単金になってしまう。また積雪の多い場所では太陽光発電が出来ないことも多いので不利になるだろう。
■太陽光パネル節電のまとめ
電気料金の値上がりによって、せっかくの節電対策も実感できない状態である。それでも昨年と同程度の電気料金なので値上がり分はかなり吸収しているだろう。固定価格買取制度終了で売電収入も見込めない状況なので大変である、早く燃料費が値下がりすることを願うしかない。
卒FITになり電気料金の削減を検討したらエコキュートにたどり着いた 2022/02/12