会社の定年と長く続いていたボランティアの役員の退任を迎え長く続いていた緊張の糸がすっとほどけた、朝起きる時間も外に出るタイミングも誰かに合わせる必要がなくなり1日のリズムを自分の意思で決められるようになった。今まで何十年と会社やボランティア中心の生活に慣れていた自分にとって、やっとそのゆるやかに流れる時間に少しずつ心が穏やかになっていった。そんな中で「これからの自由な暮らしをどう楽しむか?」、今までになかった時間を自由になった半年間をかけて考えてきた。
■自然との時間が大好きだったこと
これまでも川や海、山や旅も大好きだった。釣りに行けば気分転換にもなりキャンピングカーでの旅は良い思い出にもなった。だが時間に縛られた生活の中ではどうしても“非日常”の枠を出ていなかった、それは常に仕事のことが頭に残ったり実際に旅先で対応を求められたりしてきたからである。しかし川や海に立つ時間も旅に出る計画も以前のように「休みに詰め込むもの」ではなくなり自由になった。自然の中にいると年齢に関係なく気持ちが若返る瞬間がある。子供のころ竿を手にご飯粒をエサに川へ、海岸で掘り起こしたエサを持って海へ向かってた頃の新鮮さを再び今はゆっくり味わえる。この自由な時間こそ定年後の大きな楽しみなのだと感じている。

■ ゆるく歩く生活を続ける
自然に寄り添う暮らしの中で外せないのが無理のないウォーキング、頑張らなくてもいい歩きを続ける。日々の街中の散歩・サーフのランガン(釣りながら歩く)・ゴルフで歩く・里山のトレッキングなど「歩く目的」を楽しみにまぎれさせることで運動が自然と生活に馴染んでいくと思っている。義務感のないウォーキングは長く続くし気持ちが疲れない、こうした健康習慣が定年後には必要で健康寿命を少しでも長くなるようすることが人生を長く楽しめるコツだと思っている。

■ 「海・山・川と旅」自然がつくるリズム
定年後の暮らしを考えるときに大切なのは毎日をきっちり決めることではなく、自然のリズムに合わせた「ゆるい時間割」を持てることである。たとえば天候を調べながら風が穏やかな日は海やゴルフに雨の日は道具のメンテや次の旅の計画など、また気温が気持ちいい時間に散歩を行えば良い。季節の移ろいに合わせて旅先を変えたり楽しみ方を変える、そんな自由な時間割で過ごすことができる贅沢を味わうことができる。こうしたゆったり自然に合わせた生活こそ求めていたものであったと改めて感じている。

■おわりに
定年後の暮らしは静かで穏やかにそして自由に暮らしたい、その自由をどう使うかによって日々の充実度は大きく変わってくると思っている。また普段の生活基盤は必要だが贅沢しなければ良い、自然と共に生きる自由な時間が一番の贅沢だと思っている。

