家庭用太陽光発電設備の売電収入は確定申告が必要か所得計算を行った

サラリーマン時代は確定申告は意識することなく太陽光を使っていた。しかし本来、太陽光パネルによる売電も立派な収入となる。ただ雑所得20万円以下は確定申告は不要となるため必要がなっかた。ところが定年退職して雑所得の合計が20万円を超えてしまうと確定申告する必要がある、実際はどうなのか検証して確認することにした。

■申告の義務

太陽光発電で得た売電収入は所得として申告する義務がある。家庭用で自宅の屋根に太陽光発電パネルがある場合、「雑所得」に分類される。

売電収入から必要経費を差し引いた所得が20万円を超えたら所得税の確定申告をする義務があります。サラリーマンなどでは所得税は源泉徴収されているので基本的に雑所得は売電収入(所得)が20万円以下なら確定申告は不要になる。しかし、別の理由で雑所得が20万円を超える場合は売電収入(所得)も金額に関係なく合算して申告する必要がある。

また、20万円を超えなくても市・県民税の申告する義務があるので雑所得がある場合は申告が必要です。ただし太陽光発電の売電収入(所得)が赤字であれば申告する必要は無い。

■太陽光売電の所得とは

売電収入-必要経費所得

売電収入:1/1~12/31の期間で、実際に入金された金額(年間分)

必要経費(発電に直接必要な費用)として認められるもの

減価償却:太陽光発電設備の本体及び設置費用・・・17年間に分けて必要経費にする

利子:ローンを組んで太陽光発電設備を設置した場合、利息分が経費になる

電気料:発電した電気を売電するための機械(パワーコンデショナー)の電気代 ※家庭用で使っているので調べても分からなかった

■実際の収入を検証してみると(概算)

2020年の太陽光発電の所得を計算をする。(本来はしっかり計算しているが、分かり難いので概算で表示)

売電収入(2020年):約138,000円

必要経費

減価償却費(17年間定額償却率0.059):(設備費用-補助金)×0.059・・・で計算する

さらに自宅の消費分を引かなければならないので、発電モニターで総発電量と売電量の割合を調べ計算する

減価償却費:(3,500,000-300,000)×0.059=188,800円・・・①

売電割合(2020年):3,400kw(売電)÷5,600kw(総発電)≒60.7%・・・②

①×②≒114,602円・・・③

利子:年間47,000円(15年間支払い)・・・④

パワーコンディショナー電気代:不明

必要経費:③+④=161,602円

売電収入138,000必要経費161,602▲23,602円

※今回の太陽光発電の所得計算はあくまでも自身の場合で、全てが赤字になるわけではありません。設備を安く導入出来た場合やローン利子が無い場合は雑所得として申告が必要になります。

■確定申告は必要か

定年退職後は個人年金やその他の収入などで雑所得が20万円を超える、なので確定申告は必要だし確定申告しないと保険料控除などの還付金が戻ってこない。しかし太陽光発電では所得が赤字の場合は雑所得に含めることはない。ただ、ローンの支払いが終わり耐用年数17年が過ぎ必要経費が無くなると少額だが雑所得として申告することになる。

■まとめ

太陽光発電設備が高額だと売電所得で黒字になることは少ないかもしれない、なので申告をする必要は無いことが多い。しかしシステムによっては所得が発生すると思うので正確に課税されるかどうか計算しておく必要がある。また資料も5年間は保存する。2011年に導入した太陽光設備は今年で固定価格買取制度(FIT制度)の10年が終了する、売電収入も1/4程度になってしまう。なのでこれから7年間は雑所得に含めることは無いだろう。

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